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映画感想―612008-11-20 Thu 23:12 『シティ・オブ・ゴッド』… 『ナイロビの蜂』… 次々と高評価を叩き出す私の好きな監督のひとり… フェルナンド・メイレレスの新作… 「ブラインドネス」 非常に楽しかった。 …というよりも私好みの映画であった。 なにせ周囲の人間の評価が低いものなのだから、そういわざるをえない。 人を失明状態にして極限状態を作り出し、 人間の愚かさを巧く出している。 隔離施設の中で権力者の出現により帝国の出現、そして崩壊。 心理的な恐怖もよく描いており、人間の非弱さを暴露させている。 失明の原因も経路も判らないままで終わるが、 人間性をいぶりだす為のセットと考えれば必要ないのかも。 隔離施設の中の帝国の崩壊を描き、 ラストに無政府状況により地球規模の抗争と暴力が待っているのが見えたような気がしました。 見えている人が権力者にならないのは、良心があることを表現かな。 人の性質を良く表現している映画の一つだと思います。 これは、ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの「白い闇」の映画化という事。 主演にジュリアン・ムーア、マーク・ラファロやガエル・ガルシア・ベルナル、 ダニー・グローヴァーなど、日本からも伊勢谷友介と木村佳乃が参加…と、 世界各地から集まった豪華俳優陣からは、『バベル』を思い出す。 しかし、設定が面白い。 ある日突然、何の前触れもなく「失明」状態になる人々。 ここの表現が少し変わっている。 原作のタイトルにあるとおり「白い闇」が人々を包み込む。 原作通りみたいだが、単純な疑問もわく。 眠る時はどう見えるのか? パニック・ムービーの形態をとっているが、狙いは別のところにある気がする。 それに、映画に描かれる現代社会の反応の極端さはどうだろう。 まともな社会ならこういう反応にはなるまい。 現代社会は「まともではない」という皮肉を込めてのことだろうか? しかし、いかに、我々は視覚に頼っているかがよくわかる。 普段、地上で一番の「高等動物」と威張ってみても、 たった一つのアンテナの損失が、 この世で最も醜く低レベルな生き物に堕ちてしまうことを証明してしまう。 全体の造りとしてはオーソドックス。 中盤が濃すぎて、息抜きのシーンがないのは辛いのだが…。 サスペンスの中にこそ、人間の本質が出るのかもしれない。 その善悪両方を丁寧にあぶりだす監督の力量に今回も感心しきりでした。 外見が意味をなさなくなった世界での価値観や生きる意味など考えさせられる。 ただ、この監督ならもっと凄惨なものにできただろう…。 もうひとつなにかが足りないのが、全体を見た感想だ。 最後のナレーションも必要以上に説明をしすぎて、 私たちの想像の世界を縮めてしまったし、 なにかしら、制作に文句をいうやつらにより、 構成を変えさせられた経緯もあるのかもしれない。 「キューブ」や「es」、「ソウ」のような 極限状態に出る人間の行動、心理はとても興味深いものがある。 評価 ☆☆☆☆☆ 原題:Blindness 監督:フェルナンド・メイレレス 原作:ジョゼ・サラマーゴ 脚本:ドン・マッケラー 製作:ニブ・フィッチマン、アンドレア・バラタ・リベイロ、酒井園子 製作総指揮:ゲイル・イーガン、サイモン・チャニング・ウィリアムズ、依田巽、石井晃、ビクター・ローワイ 撮影:セザール・シャローン 美術:ツレ・ペアケ 音楽:マルコ・アントニオ・ギマランイス、ウアクチ 製作国:2008年カナダ・ブラジル・日本合作映画 上映時間:2時間1分 配給:ギャガ・コミュニケーションズ 出演: ジュリアン・ムーア、マーク・ラファロ、アリス・ブラガ、伊勢谷友介、木村佳乃、ドン・マッケラー、モーリー・チェイキン、ミッチェル・ナイ、ダニー・グローバー、ガエル・ガルシア・ベルナル 【ストーリー】 ノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴの「白の闇」を、「シティ・オブ・ゴッド」「ナイロビの蜂」のフェルナンド・メイレレス監督が映画化。突然視界が真っ白になり視力を失う奇病が世界中に蔓延。隔離された感染者たちは不安と恐怖から次第に人間の醜い本性をむき出しにしていく……。混乱する世界の中で唯一目が見える主人公をジュリアン・ムーアが演じるほか、マーク・ラファロ、ダニー・グローバー、ガエル・ガルシア・ベルナル、伊勢谷友介、木村佳乃ら国際色豊かなキャストが顔を揃える。 |
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